スバルXVハイブリッドのレビュー

インプレッサと決別したXV

今回の車はスバルXV(ハイブリッドモデル)。厳密に言えば最近販売された最新型ではなく、ひとつ前の旧型です。

そもそもXVとはインプレッサをベースとしたアクティブモデルの位置づけでした。アウトバックでは大きいけどインプレッサでは物足りないと言った、アイリスオーヤマ的な隙間需要(ニッチ)に向けた商品という事になります。しかしながら初代XVは見た目の変化だけで最低地上高を含めた全体のサイズは変わらないという微妙な設定……。

当時はインプレッサのイメージも大きく転換していた時期でしたので、あまり販売は良いとは言えませんでしたね。

そしてインプレッサがWRX(スバルの高パフォーマンスモデル)と決別した新しい2代目インプレッサにもこの「XVモデル」が導入されました。名称からはインプレッサの文字が消え、「スバルXV」として新たな一歩を踏み出したのです。

今回の試乗はこの2代目モデルとなります。

本格的にグレードアップしたXVモデル

外観は初代とは異なり、一目でアウトドア志向の迫力あるデザインであることが伺えます。最低地上高も初代の「なんちゃってアウトドア」から大きく進化し、ベースのインプレッサよりも高い200mmです。

以前のような「WRXでないとインプレッサらしくない」と言ったイメージを払拭し、XVはXVとしての個性をようやく発揮してきた感じです。

リアランプが個性的ですね。現在ではスバルの特徴となったコの時型スモールランプもこの時期から採用されています。光度が高いのでかなりクッキリと見えます。これは好印象ですね。

よく見るとリアフォグランプも搭載されています。リアフォグランプは欧州ではほぼ標準となっている装備で、主に濃霧の中での追突防止として自車の位置をアピールするために使われます。

一方国産車ではほとんど場合フロントフォグランプの設定となり、リアフォグランプの設定自体がない車も少なくありません。スバル車はレガシィやレヴォーグにもリアフォグの設定があるので、このあたりも好感が持てますね。まだ乗ってもいないのに(笑)

内装は「えっ?これインプレッサ?」というくらいの質感の高さです。内装のほとんどがソフトパッドで覆われ、ひとつひとつの造形にもこだわりが感じ取れます。それでいて使う人の利便性を損なわない配置の良さです。以前借りたフィットハイブリッドでは照明がまぶしすぎて気が散ったのですが、XVでは欧州車のようにほんわかとしたLEDを採用しています。

メーターがやたら明るく見えますが、これはカメラの感度のせいですから実際はこんなに明るくありません。視界の良さもスバルらしい作り方ですね。質感の高さで言うならアウディに匹敵するくらいです。

それと地味にアイサイト(Ver2)も搭載しています。例の自動的に止まる追突防止機能ですね。これがあればニュースでよく見かけるような「コンビニに突っ込む事故」も減ると思います。てかトラックに標準装備すべきですよこれ。

予想外の高ポテンシャル

走り出した瞬間からビックリ!!なんというか……何もかもが滑らかです(笑)

メカニズムはスバル伝統の水平対向エンジンとシンメトリカルAWD(簡単に言えば世界一の四駆)、そしてトヨタから供給されたハイブリッドシステムを搭載しています。

水平対向エンジンは世界でもポルシェとスバルしか生産していない(トヨタ86はスバルのエンジンを供給)特殊なエンジン……ピストンが互いの慣性を打ち消すので直6同様に完全バランスと言われています。

もともと熟成されたエンジンと、低速域からトルクのでるハイブリッドの組み合わせはおそらく最上の組み合わせであると言えるでしょう。

加速してみるとエンジンは1,000回転のまま速度だけグングン上がっていきます。特性だけ見るとATではなくCVTの可能性が高いですね。おどろくほどスムーズに加速するので、正直心の中に小さな感動が生まれていました。ここまで「凄い!」とリアルに思わせてくれた車は本当に久々ですね。

乗り味は従来のスバル車とは若干異なるテイストです。どちらかというとトヨタのカムリに似た感じです。走行性能を全面的に押し出したスバル車にしては珍しく、全体的に大らかでゆったりとした乗り味でした。ですので非常に運転が楽ですね。インプレッサという車の立ち位置的に考えてもワンクラス上……たとえばアウディA4あたりと比べても走りの安定感や安心感はそれを凌駕しています。

車の世界においてはどうしても欧州車優勢の流れがあるのですが、そのイメージを見事に砕いてくれるような素晴らしい居心地と安定性です。これより上級にレガシィとアウトバックがありますから、この上の次元がさらに高いということを考えるとワクワクせざるを得ません。

上級車と同等以上の装備

装備も充実です。リアフォグランプ(当然フロントも装備)、坂道発進が楽になるヒルスタートアシスト、何かと安心なフルタイムAWD、現段階では究極ともいえる衝突防止機構アイサイト、なぜかついてるヘッドランプウォッシャー、低速域までカバーできるクルーズコントロール(アイサイトの一部?)……これだけでもクラスを超えた装備群です。

それでいて200万円台のバーゲンプライス……正直600万する自分のBMWに近い装備が標準でついています。久しぶりに国産車で「欲しい!」と思わせてくれる車でした。

さらに驚きなのが、このXVは新型ではない旧型であること、そして走行距離が8万キロを超えるそこそこの年式であること。

最初乗ったときは新車と間違えるくらいでした。おそらく内装はかなり丁寧に扱ったことが大きいかと思いますが、走行性能に関しては隠すことができません。劣化を全く感じないダンパーの良さなど色々な意味で関心してしまいます。

駐車場があれば即買いのレベルの良車でした。次はレヴォーグあたりに試乗してみたいですね。

from 指導員Nob

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする