灯台下暗し
よくよく考えてみれば普段(仕事で)よく乗っている教習車について、ほとんど取りあげたことが無かったですね(^_^;)年間を通して一番乗っている車なのに……。
逆に言えば10年以上も教習車に乗り続けているので良い所も悪い所も熟知しているつもりです。今回は儚くもダサい教習車用コンフォートについてレビューしていこうと思います。
ちなみに正式名称は「トヨタ・教習車用コンフォート」。けっこう勘違いしている人も多いのですが、タクシーで使用されるクラウンコンフォートはクラウン系統であるのに対し、教習車用コンフォートはマークⅡ系列です。
コンフォートはクラウンではないですよ。。。
- 2,000cc 水冷直列4気筒エンジン
- ミッション フロア4速AT/5速MT
- 出力 133馬力/トルク18.6
- 全長 4,590mm
- 全幅 1,690mm
- 全高 1,515mm
- ホイールベース 2,680mm
意外かもしれませんが横幅だけならトヨタヴォクシーや日産セレナ、ホンダステップワゴンと同じです。
見て下さい、この『THE箱』って感じのデザイン!
ダサイ!いらない!カッコ悪い!の3要素を見たしたアイアム・レジェンド的な車です(^o^)そもそもこの車に「デザインなんてあるのか?」ってレベル。
どこからどう見ても箱ティッシュかテトリスの凸ブロックにしか見えない!笑
こんな究極にダサいデザインの教習車ですが、この形にはしっかりと意味があります。そもそもこの車のルーツはタクシー専用車として開発された日産クルーに対して対抗馬としてトヨタが開発したもの。
つまり一般的なユーザーを購入層として見ているわけではなく、あくまでタクシーとして求められる要件にだけ特化して生まれた車がコンフォートなのです。
その為運転席からでもボンネット、トランクの端まで目視で確認することができ、見切り(視界の良さ)性能に関しては全乗用車の中でもトップクラスです。いまどきの車でボンネットが見える車なんてほとんどないですからね。
ちなみに運転席から前方を見たとき(↓↓↓)。
後方視界はこんな感じ(↓↓↓)。
しかしこの世界には密かに「教習車愛好会」なるものが存在するとかしないとか……。価値がある人には価値がある車なんですね(・_・;)
質素ですね……。
タクシー仕様のクラウンコンフォートでは真ん中のスペース(エアコン下部)に料金メーターやら無線を入れるのですが、教習車用コンフォートではこのスペースに各種インジケーターが設置されています。
一応助手席側からクラクションを鳴らすことも出来るんですよ。
飾り気は全くありませんが、そもそもの用途が人を運んだり運転を練習するための車なので、良くいえば実質剛健と捉えることもできます。
しかし何といっても教習車の一番の特徴と言えば……そう!補助ペダル!
これがあるから安心して運転できるんですよね♪
一言で表せばめちゃくちゃフニャフニャです(笑)
もういっそのこと車の名称をトヨタ・コンフォート(快適)ではなく、トヨタ・フラストレーション(不快)に変えちゃった方がイメージに合うのではないでしょうか。
ちょっと速い速度でカーブに進入するだけで物凄い遠心力(いわゆるロール)がかかります。まぁこの車は走行性能にウエイトを置いた車ではないですからね。あえてスポット溶接を減らして走行性能を犠牲にする代わりに、40~50万キロ走行まで耐える耐久性を持っています。
そうそう、さりげなくオルガン式ペダルなんですね(↓↓↓)。
加速性能もいまどきの2,000ccエンジンにしては力がありません。カタログには「経済的なエンジン」とありましたが、かと言って燃費が特別良いわけでもありません。そもそも教習車のような使い方だと燃費は悪くなるから何とも言えませんが……。
ハンドリングは2000年代初期のテイストです。感覚的には2代目ヴィッツのハンドルに近いですね。2007年以前のモデルはなんかハンドルの動きがぬるぬるしてます。
ようするに運転していて楽しいと思えるような車ではありません。何回も言いましたが、この車の存在意義はあくまで視界の良さと耐久性に特化しているわけですからね。。。
整備のし易さはトップレベルです♪
これは断言できますね。とにかくお金がかかっていない分構造がシンプルですから、ボンネットを開けてエンジンルームを除くと地面が見えるんですよ!かなりすっからかんです(笑)
近年の車は車体の重量配分の問題からバッテリーをエンジンルーム後方に配置するパターンが多いのですが、コンフォートはそんなことお構いなしなので、バッテリーが手入れしやすいボンネット手前に配置されています。
消耗品も何かが故障しても単体で取り替えることが出来るのでコスパが良いです。例えばヘッドライトに関しては表面に亀裂が入ってしまうとヘッドライト全体で交換しないといけないので平均3~7万くらい発生するのですが、コンフォートの場合は表面のレンズだけ取り外せるので1,080円で済みます。
まとめ
見やすい視界、堅牢な耐久性、整備性の良さ……これらを考慮すると練習には最適な車であることに相違ありません。ただ形がダサいので欲しくはないですね。以上です。
コメント
仕事でコンフォート教習車として過去使われていたコンフォートをタクシーとして使っています。マニュアルミッションは冷えているときは2に入りませんがエンジンからミッションにかけてがあたたまると全速入ります。もともとのタクシー仕様と違って教習車仕様の唯一の名残でハザードボタンがウインカーのトップではなく右側に独立しているのですが、問題ありません。フェンダーミラー仕様ですので斜め後方確認で首を振る角度も小さく、もう2年と9ヶ月も会社から自分だけが使う専用車として使って(借りて)ます。運転しやすいからでしょうか?引退したら自分の家の車として譲り受けたいぐらいです。それと、いまどきマニュアルミッションはとても珍しいようです。
T.Y様
コメントありがとうございます。
コンフォートは車内が広い、見やすい、操作しやすいの3拍子が揃っていると思います。
ですが今は新型の教習車にシフトしている教習所も多く、なかなかコンフォート教習車を見ることも少なくなりました。
タクシーも・・・残念。
T.Y様専用コンフォートはこれからも大事に乗って下さい。
あのコンフォートに乗りたい!と言って頂けるお客様の為にも?長く乗り続けて下さい!